公務員は安定の職業というイメージが強いですが、行政保健師の仕事に就いたものの大変なことも多く、辞めたいと悩んでいる人もいると思います。
辞めた後、看護師として働けるか?また別の場所で保健師として働けるか?
という不安があると「辞めたくても辞められない」という方もいますよね。
そこで今回は、保健師から看護師へ転職する時のコツ、保健師を辞めるタイミングなどを私の実体験からお伝えします。
保健師を辞めた後、看護師として自分にあった方法で働くことはできますし、保健師の経験を活かすこともできます!
保健師としての働き方を悩んでいる人は、ぜひこの記事を参考にして新たな一歩を踏み出してください。
行政保健師歴5年で、退職しました。
私が保健師をやめた理由
私の場合、大学を卒業してすぐ就職した市役所を、5年で退職しました。
結婚を機に、通勤不可能な県外に引っ越すことなったためです。
退職を申し出る際、まず、直属の係長に相談し、係長から所属課長に退職の意向を伝えてもらい、スムーズに辞めることができました。
係長に伝えた時期は、辞める10か月ほど前でした。
(年度末の3月に辞める予定で、前年の5月ごろ)
次年度の職員採用試験が、例年8月~9月ごろに実施されてたため、募集のことを考えて、早めに伝えました。
何年働けば辞めてもいいのか?目安
理由があって、仕事を辞めたり、転職するベストなタイミングというのは、人それぞれだと思います。
辞める理由も人それぞれ違う、辞めた後の人生設計も違うからです。
たとえ1年しか働いていないとしても、自分がやりたい仕事、目標などが明確にある場合、辞めるのが早すぎることは無いと個人的に思います。
なので、色々と言う人はいるかもしれませんが、自分の人生なので自分の心の声に正直に!で良いと思います。
ただ、辞めた後の具体的な展望をある程度もっておくこと、最低限必要なスキルを身につけてくことは、その後の人生に役立つのでお勧めします。
保健師を辞めることになりそう、辞めたいと思ったときは、自分の今後に必要なスキルが、「現在の職場で何年くらい働けば身につくのか」を意識して、決断することも大切かと思います。
私の場合、結婚後も行政保健師として働くイメージを持っていたので、行政保健師として一人前という所を、目標としました。
肌感覚として…
最初の1年は、仕事の流れを覚えることや、社会人、公務員としての基本的な心構えを覚えるのに必死。
3年目あたりから、保健師として指導をしたり、事業を任されたりすることに、少しずつやりがいを感じてきた。
5年間最初に配属された部署から異動が無かったので、辞めるころには、担当した業務に関してはある程度自信をもって対応できるようになった!
という感じでした。
5年間、成人保健の部署の経験をした後、結婚後、全くの未経験の母子分野も経験しましたが、すぐに慣れ問題なく対応することができました。
最低3年働いていれば、社会人としても公務員としても基本的な知識も身につきます。
その後の仕事にも役立つ!
臨床経験ゼロで、看護師への転職!
次に、行政保健師を辞めた後、どんな働き方があるか?
看護師として働く場合、やっていけるか?お話ししていきます。
情報収集をしっかりと!自分に合った職場を選ぼう
転職する時の基本といえますが『必要な情報を集めること』が、大切だと実感しています。
まずは自分の希望を整理します。
- どんな条件で働きたいか(環境、時間、雇用形態、給与など)
- どんな分野で働きたいか(興味がある分野、これまでの経験を活かした分野など)
大きくはこの2つについて、自分でリストアップすると良いと思います。
例えば私の場合、
- 家から30分以内くらい、パートタイムで、夫の扶養内で働きたい
- 美容ナースに興味あり!美容の分野で働きたいな
といった感じで、希望を整理しました。
そこから、希望に該当する病院や施設を絞りこみ、条件をチェックします。
- 自分の持っているスキルが活かせるか
- 新しい技術の習得、勉強が必要か
を、求人票などからよく見てください。
そこから、「自分がどれくらい頑張れるか」または「別の求人を探すか」判断します。
これが、就職した後苦労したり、結局離職してしまうことを防ぐことに繋がります。
また、無駄な採用面接に労力をかけることを防ぐことにもなります。
実際に働いてみて、良かったこと
実際に私が看護師として就職し良かったことを紹介します。
新しい技術を習得できたこと
私が実際に勤務した場所は、美容クリニック(外科的な手術は無し)と、健診センターです。
どちらも、もちろん日々学ぶことばかりで努力は必要ですが、大きなトラブルはなく看護師として働くことができました。
2つの職場での経験で、これまで1度もしたことがなかった「採血」「ルート確保」といった技術も身につけることができました!
今でもまだまだ精進中。失敗することもあります。
でも、行政保健師をしていたころの私からしたら、信じられない!
今までできなかったことが「出来るようになる」というのは、自分の自信にも繋がりますし、仕事のモチベーション向上にもなります。
行政保健師をしていたら、きっと一生することがなかった手技なので、経験して良かったと思っています。
保健師との共通点もある!保健師の経験も活かせる
行政保健師の経験を活かせる点もありました。
看護師も保健師も、基本的には人を相手にしていて、相手のニーズをつかみ、何らかの方法で身体状態を良くする役割という点では同じだからです。
保健師は、その方法が『指導』という形で、基本的には言葉がけがメインになってきます。
看護師の場合は、処置だったり、ケアだったりします。
方法が違うだけで、根本的な対象者(患者)の健康状態を良くしQOLの向上を目指す点は、共通しています。
看護師として働く際には、できないことが多いと感じるかもしれませんが、自分が行政保健師として経験したことを活かせる機会もあると思います。
苦労したこと
看護技術、手技を習得すること
新しい手技、看護技術を身につけられたことが良かったと前述しましたが、実際に看護師として働いて、1番大変と感じたのが、やはりこの新しい技術を習得することでした。
針やシリンジなどの医療物品を使うことに慣れていないため、一つひとつの動作に時間がかかってします。
緊張感も大きく、″慣れる″ことに、まず時間がかかりました。
選んだ職場によると思いますが、新しい技術を習得するためには、それなりの時間と経験が必要です。
看護師としてどこでも通じるようになりたいという人は、入院施設のある病棟での経験、大きな総合病院での外来の経験などが必要であるかと思います。
周りからの保健師のイメージに縛られる
『保健師だから、知識がたくさんある』『看護師よりすごいんでしょ』というイメージを持っている人が、看護師の方の中には意外といるようで、やりにくい面もありました。
しかもそれはイメージで、実際には現場経験の長い看護師の方が″技術力が上″という雰囲気を感じました。(あくまでも私の主観です)
その職場でうまくやっていくためには、元行政保健師である存在感をいかに消し″学ぶ”姿勢を見せられるかが、重要になってくるのではと感じました。
実際に教えてもらうことばかりなので、この姿勢を見せることで、気にかけて指導してもらえたり、困ったときに助けてもらえたりしています!
好きな分野や得意を活かせる仕事を選ぶのがお勧め
このように、自分のスキルや希望に合った職場を探すことで、行政保健師から転職し看護師として働いていくことは可能です。
自分のモチベーションを維持していくためには、自分の好きな分野を選ぶことや、これまでの自分の経験を少しでも活かせる職場を探すことがお勧めです!
私自身、美容クリニックでは、ダイエット注射のカウンセリングを担当させてもらい、行政保健師時代の特定保健指導の経験が役に立ちました。
また、健診センターでは、健診自体の流れやどんな健診項目があるかなどがわかっていたため、スムーズに仕事に慣れました。
自分のやってきたことが無駄ではなかったと思うと、次の仕事の励みにもなります。
保健師のキャリアは中断しましたが、色々経験してみて、保健師の仕事って良いなと、改めて感じるようになりました。
保健師の資格を活かして在宅の仕事にもチャレンジ
行政保健師を辞めた後のもう一つの道。それは、業務委託で仕事をするという形です。
パートタイムという働き方を選んだからできたというのもありますが、公務員ではまずできなかったWワーク!
私が現在しているのは、完全在宅で、委託元の遠隔システムや、Zoomを使った遠隔面談の特定保健指導の仕事です。
特定保健指導の経験がある方、未経験でも保健師の資格がある方には、かなりお勧めです。
移動時間も無く、自宅での仕事は、かなりストレスフリーで働くことができます。
特定保健指導だけを切り取って、どんどんこなしていく感じなので、経験がある方ならどなたでも効率的にできると思います。
保健師としての道、色々あります!
まとめ:自分のやりたいことを明確にし、経験を活かせる働き方をみつけよう!
行政保健師を辞めても、看護師として、また別の場所で保健師として、働くことは可能です。
- 自分の将来の展望をしっかり持ち、必要なスキルを見極めること
- そのために必要な経験を経た上で、辞める選択をすること
以上を踏まえて考えると、辞めるタイミングも自ずと決まってきます。
また次の職場でも経験を活かせる点が必ずあります。
もちろん、自分の目標とする将来に保健師として働くというイメージが全くなければ、辞めるのに早すぎるということはありません。
保健師としても、看護師としても、どんどん働き方が多様になっていて、たくさんの選択肢があります。
次男出産後の求職時には、結婚当初求職したときに比べ、求人の種類がかなり増えたように感じました!
自分のやりたいことや、自分の経験を活かした仕事を選べば、無駄になることは1つもありません。
保健師を辞めた後の働き方を迷っているという人は、自信を持ってぜひ1歩踏み出してみください!
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